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平成21年正月元日
高橋電気設備工業/日本戸山流居合道正統会
日本戸山流居合道正統会:基礎居合
平成20年5月25日改定:日本戸山流居合道正統会編纂監修
正統会はこの基礎の形と技は、戸山流の基本的な根元をなしている
とし、これに残心、血振るい取り入れて居合らしくし、
正統会独自の
「基礎居合」として、初心より練達に
いたるも深く研鑽している
居合である。
一本目=前の敵
一、左手は鯉口を握って稍外に傾けて左足を一足長踏み出しながら右手は
柄を握り、両膝を前に少し曲げ、腰を稍落として居合腰となって、右足を
一歩踏み込むと同時に刀を水平に刃を外に、切っ先三寸を鞘に残して前に
抜く。
二、右足を前に踏み出すと同時に、鯉口を外に一杯捻り、刀刃を敵の右前臂
及び体を下方より右前上に、逆袈裟斬り上げる。右拳は頭の高さとし、刀刃
は右上方向四十五度、水平に保つ。
三、体位はそのままに、刀を正眼(中段)に構えて残心。刀を横血振るいし
て納刀、左足を右足にそろえ、柄頭を臍前に整え、右手左手と順に下ろして、
次の業に移る。
注=イ、動作に入る前の目付は目の高さとし、残心の時の目付は、剣尖の二
メートル先を見越す。
ロ、前方の敵が刀柄に右手を掛け抜刀せんとしたので、その前臂及び体を下
方より斬り上げる想定。(逆袈裟)
ハ、抜き付けの際、踏み出した足に体重を掛け、後ろ足は真っ直ぐに伸ばす。
二本目=右の敵
一、一本目の要領にて両膝を前に曲げ腰を落として居合腰となって、左足を
左前に足先を内にして一歩踏み出し、刀を抜きかけつつ右足を足先をやや内
にして一足長踏み出しながら体を右に腰を捻って敵対すると同時に、敵の胸
部を横一文字に抜き付ける。右拳は肩と水平に、剣尖は稍さげる。
二、刀を正眼に構えて残心。刀を横血振るいして納刀。以下同然。
注=イ、右方向から急速に迫り来る敵が抜刀せんとして右手を刀柄に掛けた
るその上膊部を、胸部諸共に斬りたる想定。
ロ、一文字に抜き付けたる際、左腰及び左肩を固定して胸を十分に張り、同
時に出した右足尖を稍内にし、腰の捻りと刀の抜き付けの威力を助成する。
三本目=左の敵
一、右足を足先を内にして右前に一歩踏み出しつつ床と平行に刀を抜きかけ、
腰の捻りで抜くと同時に敵に正対する。
二、体位はそのままに腰を押し出すようにして、刀刃を右に向けて敵の胸部
を
刺突する。 (刺突する際同方向に僅かに踏み出す)
三、右腰構えまて゛刺突した刀を抜く。
四、左足後ろに退きながら刀を正眼に構えて残心。刀を横血振るいして納刀。
以下同然。
注=イ、不意に抜刀せんとして迫り来る、敵の胸部を刺突すると想定。
ロ、刀を右手主導に抜くことなく、腰を捻って抜き刀を右腰に密着させる。
ハ、刺突する時、右拳の高さは肩の高さとし、刀柄を右手籠手下に密着させ、
剣先が上がらないようにする。
四本目=後の敵
一、一本目の要領にて居合腰となり、左足尖を内にして半歩右足前に出し乍
ら両足先で右回りして刀を抜き、敵対すると同時に右足を僅かに踏み込んで
敵の右上膊部及び胸部もろとも、右斜め下に斬り払う。
後方より迫り来て上段に振りかぶった敵の右上膊部を胸部諸共に斬るとの想定。
二、刀を正眼に構えて残心。刀を横血振るいして納刀。以下同然。
注=イ、刀刃を外にして刀柄を胸の高さまで刀を徐々に抜き、出した右足先は
鞘内に、腰を右に捻って袈裟に斬り下ろす。
ロ、抜き打ちに(ごぼう抜き)になりやすいので、刀を切っ先三寸鞘内にして
、刀を抜くと同時に鯉口を後ろに強く引く。(鯉口は帯に添って引く事涵養なり。)
ハ、刀を思いっきり切り下げたのであるから、そのように剣先は下がる。
五本目=直前の敵
一、両手を刀に掛け、両膝を前に稍曲げて居合腰となり、刀を頭上に抜き上げ
て諸手上段となり、右足を一歩踏み込んで、敵の真っ向に斬り下ろす。
二、刀を正眼に構えて残心。刀を横血振るいして納刀。以下同然。
注=イ、直前に敵が、刀に両手を掛けて仕掛けんとしたので、間髪入れず抜
き打つの想定。
ロ、刀を顔の左側よりに、敵刀受け流す心持ちで抜き上げる。この動作の際
に体を、微動させないようにする。
ハ、刀を抜き上げる時、刀刃を鞘外にして抜き上げないと、顔を損傷する危険
があるので注意して動作する。
六本目=左袈裟
一、一本目に順じて居合腰となり右足を一足長足先を内にして前に踏み出し、
体を左回りしながら刀を徐々に抜き上げ、敵対すると同時に、刀を諸手上段に
とり左足を一歩踏み込んで敵の左袈裟(敵右肩)を体外側まで斬る。
二、左足を後方に退きながら、刀を正眼に構えて残心、刀を横血振るいして
納刀。以下同然。
注=イ、敵が刀を抜き上げて仕掛けんとしたので、間髪入れず左袈裟に斬る。
ロ、敵の左袈裟を斬る時、諸手上段より、腰を右に捻って斬り下ろす。
ハ、斬り下ろした剣尖の高さは稍正眼の高さとし、出した左足に体重を掛け
押すようにし、残る右足は延ばして斬り下ろしの効果を高める。
七本目=右袈裟
一、一本目に順じて居合腰となり、左足を一足長足先を内にして前に踏み出し
、体を右回りしながら刀を徐々に抜き、敵対すると同時に、刀を諸手上段にと
り右足先を一歩踏み踏み込んで敵の右袈裟(敵左肩)に斬る。
二、刀を正眼に構えて残心、刀を横血振るいして納刀。以下同然。
八本目=後受流
一、一本目に順じて居合腰となり、左足を一足長踏み出しその前に右足先を内
にして一歩踏み出す共に左後方に向きつつ抜刀し、刀を右片手にて頭の前上方
に翳して敵刀を左に受け流す。
二、敵の刀を受け流すや、直ちに右足を左足の右方に踏み開きつつ刀を諸手上
段にとり、左足を右足の後方に引きつつ敵を右より斜めに斬る。
(右袈裟の如く)
三、刀を正眼に構えて残心、刀を横血振るいして納刀。以下同然。
注=イ、後方より不意に斬りかかってきたので、敵の刀を受け流して斬る想
定。
ロ、敵刀を受け流す時は、刀の棟でなくシノギで受け流す。
戸山流納刀要領
戸山流納刀要領
左手を似てその拇指と食指との間に鯉口を握り込む如く、鞘を上方よりこれ
を僅かに(約四十五度)外方に傾けて保持したる後、刀を持ちたる右腎を自然
に曲げて、刀背を左手拇指と食指との握合部及び同付け根部に当て、これに添
って刀背を滑らし、刀尖が鯉口に至る如く、右手を前方に出すと共に、腰を左
に捻りて動作を容易ならしめ似て刃部を鞘に擦らざる如く徐ろに納む。
(陸軍戸山学校剣術科=剣術教範詳解より転記)
戸山流居合道(陸軍戸山学校・剣術科編纂)
業の意義等を改変することなく、出典元文を平易な文体に修正致しております。
第一本目(前の敵)
意義
前方の敵が柄(つか)に手を掛け抜刀しかけるのに対し、まずその前肘及び
身体を下方より斬り、
続いて敵の後退するのを、追い込み正面を斬る。
動作及び説明
一 前方の敵に対し、抜刀準備をしつつ左足より一足長前進し、二歩目の右足
を足先を正面にして、一歩踏み出すと同時に抜刀し敵の右前肘及び身体を
下方より右前上方に斬り上げる。
二 後退する敵を、刀を頭上に両手で振り被りつつ左足より二歩追い込んで
その正面を斬る (斬り下ろしは膝の高さまで、以下々)
(同時に「えいっ」と発声する)
三 右足を基準としておもむろに構え備え(中段)の姿勢を取りつつ残心。
刀を横血振るいして納刀(残心とは、じ後の変に応ずる心構えを言う)
四 左足を右足に揃え、柄を握ったままに左足より五歩後退、又は元の位置に
帰り、右手左手と下に降ろし構えを解き次の業に移る。
以下同前。
第二本目(右の敵)
意義
行進中右方より不意に迫り来る敵に対し、まず水平にこれを斬り、続いて敵
の後退するのを、追い込み正面を斬る。
動作及び説明
一 左足より前進して、四歩目の右足を出すと共に右方の敵に対し、抜刀準備
をし、五歩目の左足を左前に、足先を内にして一歩踏み開きつつ抜刀し、
刀刃を乳の高さに水平に横に斬りつける(敵が抜刀しかけて右手を柄に掛
けたその上膊部を、胸部諸共に斬るもの)此の際身体は斬り開きつつ左腰
及び左肩を固定して胸を充分に張り、同時に右足先を内にして、右方に僅
かに(約一足長)踏み出す。
二 後退する敵を左足より二歩追い込んで、正面を斬る。
三 刀を構え備えして(中段)残心。横血振るいして納刀。
以下同前
第三本目 (左の敵)
意義
行進中左方より不意に迫り来る敵に対し、まずその胸部を刺突し、続いて
敵が抜刀しつつ
我方によろめき来るのを、右に体を転じて斜に斬る(袈裟斬)
動作及び説明
一 左足より前進して、三歩目の左足を出すと共に、左方の敵に対し、抜刀
準備をし、四歩目の右足を右前に、足先を内にして一歩踏み開きつつ抜
刀し、直ちに敵の胸部を刺突する。
(敵抜刀の中途のところを刺突するもの)この際身体は刺突しつつ左正
面に向け同時に左足先を同方向に向けて僅かに(約一足長)踏み出す。
二 刺突するや直ちに刀を引き抜き腰構えとなり、我方によろめき来る敵に
対し右足を左足の右方に踏み開きつつ
刀を前に出して敵の斬り降ろす
刀を左へ受け流し、左斜後方に正体して、両手にて刀を頭上に振り被り、
左足を右足の後方へ引くと共に、この敵を右より斜に斬る(袈裟斬)そ
の角度は三十度から四十度を適度とする。
三 刀を構え備えして残心。 刀を横血振るいして納刀。
以下同前
第四本目(後の敵)
意義
行進中後方より不意に迫り来る敵に対し、まずこれを抜打ち斜に斬り、
続いてその敵が
後退するのを追い込んで正面を斬る
動作及び説明
一 左足より前進して、四歩目の右足を出すと共に、後方の敵に対し抜刀準
備をし、五歩目の左足を右足の前に足先を内にして一歩出し、両足先に
て右旋回して身体を後方に向けつつ抜刀し、(後方に向きつつ左上方よ
り抜く)左上方より右下方に向かい斜めに大円弧を描くよう斬り降ろす
(敵が我を斬らんとして刀を振り被る敵の右上膊部を胸部諸共斬るもの)
この際身体は斬り降ろしつつ後方正面に向け同時に右足先を同方向に向
けて僅かに踏み出す。
二 後退する敵を左足より二歩追い込んで、正面を斬る。
三 刀を構え備えして(中段)残心。横血振るいして納刀。
以下同前
第五本目 (直前の敵)
意義
直前の敵に対しその場において抜打ちし、続いて敵が後退するのを追い込
み刺突する動作なり。
動作及び説明
一 その場にて抜刀し、刀を頭上に振り被り、次に右足を一歩踏み出して正
面を斬る。
二 左足より二歩前進して刺突する。
三 左足を一歩前に出し刀を上段に構え残心を示す。
四 左足を元の位置にもどし刀を中段に構え、残心継続する。
五 刀を横血振るいし納刀。
以下同前
第六本目 (前後の敵)
意義
前方の敵に対し肉薄中、後方より不意に斬り掛かる敵の刀を受流してこれ
を斜めに斬り、
直ちに前方の敵に対しその正面を斬る。
動作及び説明
一 前方の敵に対し抜刀準備しつつ左足よりやや速度を速めて前進中後方の
敵不意に斬り掛かるのに対し、右足(四歩目)を左足の前に足先を内に
して一歩踏み出すと共に身体を左後方に向けつつ抜刀し、刀を右片手に
て頭の前上方にかざして後方より真っ直ぐに斬り降ろす敵の刀を左方に
受流す。
二 敵の刀を受流し、直ちに右足を左足の右方に踏み開き、斜左後方に正対
しつつ刀を両手にて
頭上に振り被り、敵を右より斜に斬る。
三 両足先にて左旋回して前方に正対しつつ刀を頭上に振り被り直ちに正面
を斬る。
四 右足を前に出し中段の構え備えして残心。刀を横血振るいして納刀。
以下同前
第七本目 (左右の敵)
意義
左右より迫り来る敵に対し、先ず右の敵を抜打ち斜に斬り、続いて左の敵
を両手にて斜に斬り、
更に追い込んで刺突する。
動作及び説明
一 左右の敵に対し、頭を正面にしたまま抜刀準備をした後、先ず右敵に対
し注目し、左足を右足の右方に足先を外にして約半歩踏み出しつつ抜刀し、
更に右足を一歩その右に足先を
内に向けて一歩踏み出すと同時に、敵を左
より斜に斬る。
二 刀の余勢を利用して両手にて頭上に振り被りつつ両足先にて左旋回し、
左正面に正対し右足を
この方向に一歩踏み出すと同時に、左の敵を右よ
り斜に斬る(敵が我を斬ろうとして刀を上段に
振り被るその左上膊部を
胸部諸共斬るもの)
注意:一、二の動作は連続し、かつ努めて迅速に行うことが肝要。
三 後退する敵を、左足より二歩追い込んで(一歩目に刺突の構えをする)
その胸部を刺突する。
四 僅かに後退しつつ刀を引き抜いて続いて左上段(左足を前に出す)
に構えて残心を示す。
五 左足を後方に退きながら刀を中段に構えて残心継続。
刀を横血振るいして納刀。
以下同前
第八本目(突撃)参考:正統会においては、この業は実施していない)
意義
前方の敵に対し突入し、逐次これを斜に斬り倒し、最後に逃走する敵を
追及しつつその頭部を斬る。
動作及び説明
一 数歩前進し、左足を踏み出しつつ左手を柄に添えて握り、右足を出すと
共に正面の第一敵を右より斜に斬る。
二 拳を外方より廻して刀を左肩の上に振り被り、左足を右足の前に、足先
を僅かに内にして一歩踏み出しつつ右前の第二敵を左より斜に斬る。
三 刀の余勢を利用して右肩の上に振り被り、右足を左足の前に足先を僅か
に内にして一歩踏み出すと同時に左前の第三敵を右より斜に斬る。
四 更に刀の余勢を利用して頭上に振り被りつつ身体を正面に向け逃走する
第四敵に対し、左足を前に出し直ちに其の足にて踏み切り、基本動作面
の斬撃の要領にて真っ直ぐに斬る。
五 刀を中段に構えて残心、横血振るいして納刀。
以下同前。
注: 戸山学校・剣術科の剣術教範詳解が基礎となっています
道場の広狭により前進の歩数を減じることは可 |